みんないってしまう

みんないってしまう




私の好きな作家の1人でもある山本文緒さんの短編集「みんないってしまう」。

その中に収録されている「まくらともだち」の中にこんなくだりがある。

本当に好きな人とは、セックスなんかできない。

私はおぞましく蠢く巨大なバイブレーターをねじこまれ、涎を垂らして悲鳴に近い喘ぎ声を上げながらそう思う。体中の穴という穴に異物を押し込まれて、気の狂う直前まできりきりの快楽の糸を張りつめ、それでも私はもっともっとと懇願する。

愛している人と、こんなことができるものか。どんな真面目な話も、その時の馬鹿面をお互いが思い出してしまったら身も蓋もなくなる。
と。



これはかなり極端な言い方やと思うけど、

もしかしたら一理あるかもしれない…、

と思ってみたりする。



私は相手の決まったセックスフレンドっていうのは持てないと思う。

持ったこともない。

一回こっきりとかなら割り切れるやろうけど

(もちろん相手によりけりやろうけど)、

数重ねると情が沸いてまうと思うから。



誤解のないように書いておくと、相方と出会ってから

(結婚する前も含めて)

他の人とはそういうことしてません。

っていうかする気も起こったことがない。

その事実には我ながらびっくりなんやけど…。(おいっ!)



表題作の「みんないってしまう」もとてもよかった。

特に最後の締めくくりが印象的。